「カンフル剤」って何だろう?

よく、「〇〇が景気回復のカンフル剤になる」など、だめになりかけた物事を蘇生させるのに効果のある措置という意味でカンフル剤(カンフル)という言葉を使いますが、辞典を見るとカンフル剤(カンフル)とは、別名「しょうのう」だそうです。
しょうのうというと、私の世代では衣類の防虫剤しかイメージが湧きません。もう少し調べてみると、樟脳(しょうのう)=カンフル剤ではなく、樟脳を犬に与えて、おしっこに混じって出てくる物質をカンフェノールと名付け、抽出してビタカンファーという強心剤として販売していたようです。これがカンフル剤。
実際、武田製薬はその昔犬舎を建てて市販のビタカンファーを製造していたというから、驚きです。
強心剤として使われていたのなら、物事を好転させる刺激策をカンフル剤(カンフル)というのも納得です。

因みに、英語では、"a shot in the arm" といいます。合法・違法に関わらず薬やドラッグ等の注射の事ですが、日本語のカンフル剤のような使い方をします。
"The discovery of gas reserves was a much-needed shot in the arm for the economy."
「埋蔵するガス(ガソリン)の発掘は、待ち望んだ景気回復のカンフル剤だった。」

違う言語でも、同じようなアイデアから生まれた言い回しはあるものですね。