話すが先か聞くが先か?!

外国語を勉強する時、まず良く言われるのは「失敗しても良いから話すことが、話せるようになる近道」と言うことです。
私も、英語でもスペイン語でもこれを実践してきました。とにかく使う言葉や言い回しを覚えていって、覚えたことは、その日から組み合わせながらどんどん使う。
例えば、「You came earlier than I expected!」(思ったよりも早くきましたね!)という言いまわしをまるっと覚えて、[Oh, this is much bigger than I expected!」(あら、思ってたよりだいぶ大きい!)という風に単語を入れ換えて使いまわすのです。
このパターンをどんどんどんどん増やしていって話せるようになる。そうやって言葉を覚えてきました。
この方法で覚えると、自分の言いたいことはまず言えるようになるけれど、話せると思って相手がどんどん話してきて、言われたことが分からなくておかしな返答をしてしまったり、そもそも言い方が間違えていて通じなかったり、失敗は日常茶飯事。格好良く言うと、失敗を繰り返して学んでいく感じです。

しかし、世の中当たって砕けるタイプじゃない人もいるはずです。我が娘のように。
9才の娘は、慎重派です。アメリカで生まれたにも関わらず、しばらく日本にいて、久しぶりにアメリカに戻った時は、1年以上ほぼ一言も話しませんでした。幸い友達は多かったので、話しかけてくる人は沢山。言っていることが分かるようになってきても、それにジェスチャーで応える毎日。
最初は、私も含めて周り全員が「失敗を恐れないで、とにかく話して」とプッシュしました。でも、「話せ話せ」と言うことがストレスになってもいけないと思い、このまま話さない子になるかも知れないと言う一抹の不安はありましたが、徐々に静かに見守るようになっていました。そうやって、1年3ヶ月も声を出さないまま過ごしていました。
仕方ないのかなと半分諦めていたある日、突然、1日中友達とマシンガンのように話して帰ってきました。もしかしたら、声が出ないのかも知れないと思っていた友達や違うクラスの子供達もビックリ。その日を境に、どんどん他の子や先生とも話し始めました。
学校の英語の先生は、「英語のバケツがいっぱいになって、とうとう溢れたのよ」と。

つまり、言葉を覚えるのには話すのが先でも聞くのが先でも、どちらでも良いのではないでしょうか?度胸のある人はどんどん話せばいいし、慎重な人はどんどん聞けばいい。
会話できるようになりたいと思ってやり続けさえすれば、習得の方法は人それぞれなのかも知れません。